学校事務職員Hの仕事(1997~2016)

学校事務発表レポート

2016年「これからの学校事務をどう考えるかー組織マネジメント的な考え方を利用して」

2016年2月 組合事務職員部安曇野支部で退職前に最後の話をしてほしいと依頼され、最後と思って作ったパワーポイント。学校事務職員として仕事を進めていく上で、戦略ビジョンが必要という話をした。「学校事務の進化論」として、現在蒔かれている種は未来で必ず芽が出るということと、学校事務は必ず仕事をシェアする制度ができることを話した。一人職場でありながら、本当の意味での学校事務職員のネットワーク組織が制度化されるだろうとした。実際、退職後の2017年に地教行法が改正され「共同学校事務室」が法制化された。文科省は従来の「学校事務の共同実施」からさらに一歩進めた。共同学校事務室の武器は「兼務辞令」だ。これを利用して仕事をシェアすることができるので、現場学校事務職員の使い方次第である。長野県の学校事務職員は地教委と連携することができるので、この制度を利用した新しい学校事務を構築してほしい。この制度のブレーキになっているのは、古い世代の考え方を持つ事務職員たちだが、いずれ彼ら彼女らは退職していくので、2050年には「長野県の新しい学校事務」が完成していると思われる。

 

2015年「事務室ポイントカードー子どもと学校組織マネジメント」

2015年 長野県事研研修大会第9分科会「実践交流Ⅰ 先輩の話」で作成したレポート

学校事務職員として児童生徒とどのように関わっていけばよいのか、という内容。

事例1「事務室掲示板、事務室壁新聞」というツールを使ってのコミュニケーション方法や事例2「事務室ポイントカード」という交流方法について、組織マネジメント的な分析で方法論を考えるという提案を行った。

 

2014年2015年「単数配置学校事務職員のセイフティネットをどのように構築するか」

2014年前編、2015年後編として支部教研集会でレポート発表した。

ハードな学校での勤務年数が2年間のみとわかっていたので、なぜ前任者が若年退職しなければならなかったのか、どうしてこの学校が忙しいのかを経営学的に分析し、後任者の労働環境の改善に資するように理論化したつもりである。市費事務職員が配置されてしかるべき学校規模にも関わらず配置されず、助け合うべき地区ブロックの事務研組織もできるだけ支援したにも関わらず支援につながらなかった。このため前任者が残した仕事の後始末も含めて学校事務改善を進めるべく退職前の私が配置されることになった。助け合う学校事務職員、仕事をシェアする学校事務システムは可能なのかを考えた。

 

2010年「健康で楽しい新しい学校事務スタイル」

2010年 支部教研レポート

松本市の大規模小学校で3年間勤務することを決めたときに、学校事務職員として3年間で何ができるかを考えた。3年目でもあったので、「事務室を開く」ということを決め、新しい学校事務スタイルとして、環境問題に取り組むこと、子どもたちと触れ合うことを考えた。仕事は年々ハードになってきたけれど、仕事をしながら心と体の健康を維持する方法などを考えた。

 

2009年「新しい学校施設・設備(学校建築)の考え方について」

2009年 長野県事務研の全県研修大会第7分科会「施設・設備」の講義資料

後輩のU君と「学校建築研究会」という勝手なグループを作って学校建築や施設設備等について自主研究していた。学校事務職員として教育条件整備のハード部分に関わるための実力を養成していた。思いがけない研究成果の発表機会が与えられた。

 

2009年「エコロジカルな学校環境を考える」

2009年 支部教研で発表したレポート。2008年から松本市内の児童数1000人の大規模小学校に赴任した。JR松本駅の南西にあるこの小学校はヒートアイランドになりやすい立地条件であった。このため夏期の気温は高く、学校には冷房機器も設置されていないため事務室(他の部屋も)は連日室温30度を超える中での執務であった。植物カーテンやよしずなどで少しでも涼もうと考えていたが、無理な話だった。実践しながらも、できればトトロの森のような木立の中の学校や、校舎屋上に太陽光パネル発電を行って地産地消の電気エネルギーで全教室にエアコンを設置したいというプランを提案した。エアコンを実現するにはさらに15年も待たねばならなかった。

 

2008年「持続可能な学校事務職員を目指して」

2008年 地区事務研と支部教研で発表したレポート。学校事務職員の職務内容に対して文科省からの提案をどのように受け留めてどのように考えて実践するかを、みんなで考えるための問題提議レポート。このレポートは文科省の共同実施による新たな学校事務の業務内容について調査研究が始まったことに由来する。レポート内の(資料6)(資料7)は割愛した。